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〈ハンタ原〉

 三下げの曲です。
 三味線を三下げあるいは二揚にチンダミすると、《尺》の音は女弦の開放弦=すなわち《工》の音と同じになります。同じ音なら、指を使わないですむ方の《工》を使うのが普通です。工工四を見ても、三下げと二揚の曲には、《尺》は出てこないものです。ところが、この〈ハンタ原〉の場合は歌持で《尺》を多用します。
 ここまでに紹介した早弾きの曲が弾けるぐらい練習を積んでこられた方は、工工四を見ないでも音を聞いただけで演奏できるようになっているかもしれません。特に、早弾きの場合は『工工四』を使って覚えるよりも、耳で聞いて覚えるのが自然だと思います。それができる方でも、この〈ハンタ原〉の歌持は、「おや?あれ?」と首をかしげる音が多いと思います。 理由は、三下げの曲なのに、《尺》と《尺》よりも少し高い音を使っているからです。
 《尺》を使うことを意識して練習すれば、この曲に馴染むのも早くなると思います。
 〈ハンタ原〉はいろいろな人が演奏し、カセットやCDに収録されています。中には、あの《パッカパッカ》という弾むようなリズムを使わず、《パタパタパタ》といった弾まないリズムで演奏する人もいます。これも味があっておもしろいものです。マルフクレコードの『沖縄民謡名選集9(ACD−22)』に収録されている〈マークンニー/ハンタ原〉(普久原朝喜・普久原鉄子)が、その《パタパタパタ》のリズムです。 興味のある方は、研究してみてください。

 これで、三味線の教則本は終了です。ここまで読んでいただいてありがとうございました。お礼と言ってはなんですが、このあと【付録】を付けておきましたので、よろしかったらそちらの方もお楽しみくださいませ。


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