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1、三味線を鳴らそう!

 購入して持ち帰った三味線は、そのままでは使えません。ウマをたて、調弦(ちょうげん・チンダミ)をしなければ演奏はできません。ここでは、ウマのたて方、三味線の構え方からチンダミまでを詳しく書きます。しかし、あなたが音楽に自信のある方で、構えはともかく、自分で調弦ができて、自分で音を鳴らすことができるのなら、必要ない部分(構え方など)は無視してしまってください。 自己流でも楽しく演奏できれば、それでいいと思います。

(1)ウマのインストール

 パソコンでも三味線でも、使う前に、まずインストール。
 ウマというのは、三味線の糸を支える竹のアーチです。蛇の皮の上で、三本の糸をけなげに支えているかわいいやつ。普通は竹製ですが、プラスチックのものもあります。竹の方が味があっていいと思うのですが、折れることが間々あります。竹製を使っていこうと思っている人も、プラスチック製を1つ持っていると緊急用に使えますね。
 ついでに、三味線の部分の名前も覚えてください。まず、皮の張ってある胴の部分をチーガと言います。黒い棒は棹(さお)。かわいい耳のように出ている3本の棒はムディ(カラクイ、糸巻きともいいます)と呼ぶことにします。
 さて、ウマをインストールしましょう。購入したばかりの三味線の場合、ウマは、ケースのポケットに入っているか、あるいは、チーガの手掛け(はちまきのように巻いてある布)の紐の部分にはさまれているか、あるいは、弦と蛇皮の間にはさまっているでしょう。もし、どこにもなければ、三味線は弾けません。あきらめてください。(オイオイ)
 ウマを見つけたら、三味線のチーガを手前に、棹の先を向こうにして、置いてください。もちろん、裏返したりしないように。
 さて、三味線はそのままにして、今度はウマを持ちましょう。自分の顔の前に持ってきて、じっくりながめてください。もしもし、そこのあなた。そんなに顔に近づけて、目が寄ってますよ。
 ウマは、アーチ型をしていて、上部に糸が乗るための切り込みが3つあります。この切り込みは、3本の糸の間隔を決める物ですので、切り込みの間隔が均等でなければなりません。もし、不揃いなら不良品です。取り替えましょう。足の部分は下に行くほど太くなっていますね。「ウマなのに、足が2本しかない!」なんて驚かないで。それで普通です。
 このウマにも前と後ろ(表と裏)があります。
 ウマを平らなところに立ててみましょう。左右の足の長さは同じですから、当然糸の乗る部分は水平です。でも、前後どちらかに、わずかな傾きがあるはずです。傾きは、やや後ろ(手前)になるのが正しい方向です。その状態で、三味線にインストールするのです。
 ここで、ウマの前と後ろの面を見てください。前の面がツルツルした感じでしょう。後ろは竹の筋が目立つはずです。これは、前のほうは竹の表皮がついているのだと思います。理由は知りませんが、表皮のついている(ツルツルしている)方が前と思って、間違いないでしょう。これから先、ウマをインストールする場合は、いちいち立ててみないでも、この表皮の有無で前後がわかるはずです。
 いよいよ、三味線にインストールしてみましょう。先ほど説明したように三味線を置いてください。左手にウマを持ちましょう。ウマは、前後間違えないように。弦を持ち上げて、ウマを立てるわけです。三味線の棹とチーガの継ぎ目のところは、弦の下に指が入れやすくなっているでしょう。そこから、右手の指(人差し指・中指・薬指の三本)をいれて、弦を2センチほど持ち上げます。このときに、蛇皮の部分を押さえても大丈夫です。 薄いわりには、丈夫なんです。ウマを立てるときに皮を破ったという話は、まだ聞いたことがありません。弦をもちあげたまま、指を少しずつ手前にすべらせて、人差し指がチーガの中央あたりに来たとき、薬指が蛇皮面の3分の2のあたりにあるはずです。このあたりまでくると、ずいぶん指が痛いでしょう。けっこう糸の力は強いものです。
 そのままの状態で、薬指のすぐ手前にウマを立てます。立てたら、弦を切り込みに当てはめて指を抜きます。ウマの位置にずれがあるようなら、調整します。これで、あなたの三味線は鳴らせる状態になりました。
 ついでに、1つ注意を。
 三味線をケースにしまう場合は、必ずウマをたおして(はずして)おいてください。たてたままだと、ウマがおれてしまうことがあります。(私も何度かやりました)もし、部屋のどこかに、ケースに入れないで安全に置いておける場所があるなら、ウマをたてたままでもかまわないでしょう。


△おまけ−2
 「あああああ・・・最後のウマを壊してしまった・・・・」
 あなたが自宅で練習していて、こんな事態に遭遇したら、絶対に三味線は弾けません。あんなに小さな部品ですが、あれがなくては三味線は音が鳴らせないのです。もし、どうしてもウマが必要なら、自分で作らなければ。
 ウマは、竹でできています。竹製品でもっとも身近なのは何でしょう?そうです。《30センチのものさし》です。(どこが身近なんだ!と怒らないように)
 あのものさし、小学校の近くの文房具店には必ず置いてあります(と信じてます)。ウマとものさしを見比べてください。似ているでしょう。あの目盛りを刻んであるところを糸を乗せる部分にすれば、厚みもグッド!しかも、目盛りがついているので加工するときに長さを計る必要なし!!これは、ウマを作るために存在するようなもんだあ!!!と感激してしまったでしょう。
 私の身近に、本当に作った人がいました。それを使わせてもらいました。市販のウマとまったく同じように使えました。うまく作れば、一本のものさしから10コ以上できるはずです。ウマを買うよりも安かったりして・・・
 もし、自作した方がおられましたら連絡ください。1コ50円なら買おうかなっと。


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