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(2)構えについて

 どんなスポーツでも、フォームを大切にすると思います。楽器もしかり。だからといって、形にばかりこだわりすぎると、楽しさが半減してしまうかも。ま、「こういう形なんだ」ということを知っておくつもりで、読んでみてください。やっているうちに、だんだん《正しい構え》に近づいていくこともあります。
 三味線は、座って弾く場合と立って(歩きながらも)弾く場合があります。ここでは、座って弾く場合を説明します。
 やってみましょう。正座(沖縄ではヒザマヅキといいます)あるいは、椅子に腰掛けて(この方が楽ですよ)。チーガを右膝の中央よりやや手前に乗せてください。弦のある面はもちろん正面を(普通、ギターなどを演奏するときのように)向けてください。あなたの目で三味線を見ると、チーガはきれいな模様の鉢巻きのような面だけが見えていますね。このとき、チーガが3分の1ほど膝の右側にはみ出すようにします。 右手首でチーガの中心よりやや右よりを上から押さえます。手首が5センチほどチーガの前に出るようにしてください。
 左手は、《小さく前にならえ!》のように(子どもが「しゅっしゅっぽっぽっ・・・」と汽車のまねをするときのように)、肘(ひじ)から先を前に向けます。指先ものばしてください。親指だけは上にむけて。その親指と人差し指でできたL字のところに、三味線の一番細い部分(《乳袋》のすぐ下)を乗せます。乗せる位置は、『親指の方に寄せすぎないで、人差し指の付け根の関節のあたり』にします。 棹を乗せたら、親指を棹の上に乗せるようにしましょう。形としては、親指と人差し指で三味線の棹をはさんでいます。力を入れてはさむのはよくありません。また、バットを握るように手のひらを棹につけてはいけません。
 このままでは左手が低すぎますので、肩の高さぐらいに持ち上げましょう。だいたいできてきました。
 三味線の位置は決まりました。あとは、演奏しやすいようにゆったりと構えます。普通、左右の脇をやや開きます(20度ほどかなあ)。これでよしと。そうそう、構え方がわかったら、左手の指はピンと伸ばさなくても、自然に曲がっていていいですよ。
 点検です。大きな鏡、なければ窓ガラスでもかまいません。自分の姿を正面から見てください。棹の傾きは45度より少し下くらい、チーガの面がきちんと正面を向いていればいいでしょう。右手は、チーガを押さえているので、位置が決まりやすいのですが、左手が下がったり、体から離れすぎたりしがちです。ときどき自分のフォームを見直してください。
 慣れてくると、右手だけで三味線を確実に支えることができます。え?左手を放すと、三味線が倒れる?最初はそうです。でも、慣れるとできるんです。
 沖縄の民謡クラブのショーなどでは、立って弾いていることが多いですね。この場合、チーガを腰の骨(あるいは帯)の上に乗せ、右手首より5センチほど上の部分で押さえつけるようにします。
 本島のエイサー(旧盆の行事)は、踊り手が村内を練り歩きますので、三味線も立って歩きながら弾きます。こんなときは、紐をつかって、ギターのようにぶら下げる人もいます。
 ○ここで、左手親指の位置についてのお話。
  私は、《左手人差し指の付け根に棹を乗せて、その上から親指ではさむような形》を正しい構えとして書いています。しかし、「それは、よくないのだ!」という方もおられます。
  棹を見ましょう。左手のすぐ上部は、丸みをもってふくらんだ形をしていますね。ここを《乳袋(チチブクロ)》というそうです。その裏側に親指を当てる。これが正しいとする方もおられます。たしかに親指を当てやすいような形になっていますね。この構えを正面から見ると、親指は隠れて見えなくなっています。 親指の位置はどこがよいのか?結論は出せませんが、(流派によっては、決められているかもしれません)どちらでも演奏に差し支えはないようです。


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