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〈八重山育ち〉

 〈小浜節〉〈みるく節〉〈とぅばらーま〉どれもいい曲でしょ。
 「〈小浜節〉みたいな、二揚の曲をもっとやりたい!」
 と思ったあなた。八重山民謡にはまってきましたね。そんなあなたに。これから、すごい曲を紹介します。(『八重山古典民謡工工四』には載っていません。ごめんなさい)

 その歌は、主に共通語で、歌詞に《石垣・西表・竹富・小浜・鳩間・黒島・新城・与那国》すべての島が歌い込まれ、しかも〈小浜節〉を含めた《3大情歌》が取り入れられている。まさに、八重山民謡の練習にぴったりの曲。

 発表しましょう。〈八重山育ち〉です!
 え?名前が少しうさんくさい??

 民謡というと古い歌と思われがちですが、戦後生まれの民謡もたくさんあります。〈時代の流れ〉〈屋嘉(やか)節〉〈艦砲ぬ喰ぇーぬくさー〉は、戦後間もない頃の沖縄民謡。当時の沖縄の心が伝わってきます。〈島の女(ひと)〉は、復帰後の歌。共通語で歌われる民謡です。沖縄の民謡は現在も創作されていて、新曲《新唄(みーうた)》が次々と生まれているわけです。 《沖縄の民謡は、沖縄県内の『流行歌』である》と私はとらえているのですが、いかがでしょうか。
 〈八重山育ち〉も、民謡としての伝統と、流行歌としての親しみやすさを兼ね備えた楽しい曲だと思います。
 この曲をやってみるなら、《3大情歌》をすべて歌えるようになってから。と思われるかも知れませんが、それは逆。この歌から、《3大情歌》を覚えてしまうことだってできますし、その方が楽しいかもしれませんよ。ただし、《3大情歌》それぞれのサビの部分だけしか使われていませんので、あしからず。
 収録されているCDは、その名もずばり『八重山育ち・山里勇吉(東芝EMI)』があります。
 カセットテープなら、音工『沖縄民謡大全集(8)宮古八重山民謡集』こちらも、山里勇吉氏の歌です。これには、早弾きの曲〈山崎のあぶじゃーま(工工四では〈山崎節〉》)〉、〈とぅばらーま(カセットの中では〈トゥバルマー〉と書かれています)〉が収録されていますので、その練習にも利用できます。
 山里勇吉氏の歌は、好みの分かれるところ(だと私は思う)ですが、一度聞いてみてはいかがでしょうか。また、有名な歌い手ですので、ほかにもカセットが販売されていると思いますよ。


△おまけ−9
 工工四の〈小浜節〉は、西表島の東側に浮かぶ小浜島を歌った歌です。西表島と小浜島の間は、《マンタの見られる海》として有名なヨナラ水道です。ダイバーのみなさんは、よくご存じでしょうね。
 〈小浜節〉は、この小浜島で歌い継がれています。小浜島でその歌を聞いてみると、工工四の〈小浜節〉とは、似ているけれどちがうんです。西表島祖納村の〈祖納岳節〉、与那国島の〈ながなん節〉(工工四では〈なかなん節〉)、波照間島の〈波照間ぬ島節〉など、工工四に掲載されている(研究所等で歌われている)歌と、その歌の舞台となった島(村)で歌い継がれている歌(島の歌とでもいいましょうか)が違っている例は多くあります。
 この本では、工工四やCDを利用しているため、それらに収録されている方で練習しています。でも、島の歌もやってみたいと思いませんか。
 本土の方でも、島のお祭りのときには島の歌に触れることができるかもしれません。竹富町役場か石垣市役所に電話をすると、島のお祭りの日程を教えてくれるはずです。お祭りに合わせて旅行をして、島の味を味わってみてはいかがでしょうか。
 島の言葉で歌い継がれてきた島の歌。魅力的ですよね。


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