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(4)買いそろえるべきもの
 三味線の他にそろえておきたい物を書いてみましょう。

@ケース
 三味線といっしょにケースも購入しましょう。ケースには、1丁用と2丁用があります。もちろん、1丁用で十分でしょう。木箱もありますが、持ち運びを考えると実用的ではないと思います。
 なかには、三味線は箱にしまわずに飾っておきたいという方もおられるでしょうが、ケースは購入しておく方がいいと思います。皮の張り替えなど、運搬・郵送の必要な場合にも役立ちます。演奏できるようになって、結婚式の余興に呼ばれたときにも三味線をケースに入れて運びます。必需品です。

A弦(チル)
 ケースの中には、予備の糸を用意しておきましょう。糸は、3本それぞれ太さが違いますので、《太・中・細》の3種類必要です。3種類1セットになったものもありますが、よく切れるのは、一番細い糸(女弦=ミーヂル)です。太・中を各1本と、細を3本ぐらいでよいと思います。よほどハードに練習しても、これで1年間以上持ちこたえると思います。

Bウマ
 ウマを忘れずに買いましょう。三味線店の帰りに乗って帰る?ちがいます。三味線の3本の糸を支えている、かわいい竹製のアーチのことです。初心者ほど壊しやすいものですので、3コ、いや5コぐらい買っておいた方がいいと思います。三味線店で、「ウマ5つください」というと、あきれられるかもしれませんが、そんなときには胸を張って言いましょう。
 「私なら、5コぐらい壊せますっ!
 ウマの購入に際しては、1つ1つ手に取って確かめてください。左右の足の長さの違うものや、糸を乗せる切り込みの位置が均等でないもの、極端に細いものなどは避けるべきです。1つ百円(〜二百円)程度のものですが、不良品は使えませんし、案外不良品の多いのがウマです。どうぞ、慎重に購入してください。
 プラスチック製のウマも売られています。これなら折れる心配はほとんどありません。竹製のものを全部壊してしまってなくなったときのために、1つ購入しておいてもよいでしょう。

C工工四
 続いて、『工工四』(クンクンシイ・コウコウシイ)と呼ばれる三味線用の楽譜です。ここでは、最初に八重山民謡をやってみるつもりですので、八重山民謡の工工四を購入してください。《大浜安伴》の本が手に入りやすいと思います。上下巻に分かれています。最初の練習曲〈鷲ぬ鳥節(ばすぃぬとぅるぃぶし)〉は、上巻にあります。
 また、『正調・琉球民謡工工四 第1〜・琉球音楽楽譜研究所』は、沖縄、宮古、八重山の曲を広く集めた工工四です。〈鷲ぬ鳥節〉ももちろん収められています。
 工工四の読み方も書きますので、読めるようになれば、知らない曲でも工工四の通りに三味線が弾けます。持っておいて損はないでしょう。予算的に苦しい場合は、借りてください。

DCD・カセット
 この本を読んで練習するのには限界があります。知らない歌を文章で覚えるのは無理。CDを購入して、耳で覚えることも必要です。最初に練習する、八重山民謡の〈鷲ぬ鳥節〉の入ったCDを用意しましょう。三味線店にCDがなければ、楽器店、レコード店にあります。
 ここでご注意。〈鷲ぬ鳥節〉の入ったCDもいろいろあると思います。なかには、〈鷲ぬ鳥節〉の他の曲が、八重山民謡ではなくて、沖縄本島の民謡だったり宮古民謡だったりということもあるかもしれません。「私は、八重山民謡で通すのよ」という方は、その点をチェックして八重山民謡だけを集めたCDにしましょう。反対にいろんな島の曲を覚えたい方は、各地の代表的な曲を集めたCDもいいでしょう。

E爪(チミ)
 三味線の演奏に大爪(指の爪と混同しないように、三味線用に購入した爪の方は、大爪(ウフヂミ)と書きます。《撥(ばち)》ともいいます)を使うことがあります。大爪は、牛の角のような形(本当に牛の角でできている物もあります)をしています。人差し指の先にはめて、指の延長のように使います(指先にはめずに、つかむようにして使う場合もあります)。慣れるまではけっこう使いづらいし、慣れても使いづらいという方もおられます。 ギターのピック(硬いもの)を使う方がやりやすいでしょう。また、右手人差し指の爪を5ミリほどのばして、それで弾くことができます。私は、この自分の爪が一番弾きやすいです。三味線用の大爪も買って持っていたいという方は、適当なのを選んでください。私は一生使わないぞ!と心に決めている方は購入の必要はありません。
 大爪を指にはめて使用する場合、穴の大きさを指に合わせる必要があります。三味線店でやってもらうか、自分で削って指に合わせましょう。

○ついでに・・・
 さて、「三味線店に来たついでにもう少し買い物を」とお考えの方。そのどん欲さが技術を向上させると思いますよ。三味線店が繁盛するように、いくつか紹介させていただきましょう。
 沖縄版カスタネットといわれるものに、四つ竹と三板があります。
 三板は、文字どおり3枚の板でできています。(板1枚は10センチ×5センチ程度)沖縄民謡のテンポの速い曲の中で、リズミカルで歯切れのよい音を出すとってもチャーミングな楽器です。音をならすだけならすぐにできます。極めるのはむずかしいです。使用法も、いずれ書いてみたいと思っています。この三板、実は、八重山の民謡ではまず使われないんですよ。でも、おもしろいから私も持っています。
 四つ竹は、竹を板状に切った物を左右の手に2枚ずつ持ち、握るように打ち合わせて鳴らすものです。普通、踊り手が持って、音を鳴らしながら踊ります。琉舞(リュウブ=琉球舞踊)をするつもりがなければ、役に立たないかも知れません。部屋に飾っておきたい方はどうぞ。
 他にも、胡弓(こきゅう)、横笛、太鼓といった楽器があります。踊りの小道具も置いてあるかも。どれも使いこなすには、ずいぶん練習しなければなりません。
 というわけで、おすすめは三板です。その他の物は、ちょっと手におえないかなあ。(私自身が使ったことないので)でも、せっかく三味線を購入したのだから、店の人にいろんな質問をして、楽しいお話を聞いて帰ってください。


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